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【日本株】水不足で注目される「海水淡水化」ビジネスと関連銘柄

半導体製造には綺麗な水が大量に利用されています。近年はそうした影響から大規模な水不足が発生している地域も少なくありません。

例えば、台湾は好調な半導体製造の代償として、過去50年で最も深刻な水不足が発生しています。水不足が深刻化すると、やがて大規模な干ばつが発生すると言われています。

そのため、水不足の問題は解決しなければならない課題でしょう。そんな水不足問題を解決する1つの手段として、海水淡水化ビジネスに注目が集まっています。

本記事では、海水淡水化ビジネスを展開する日本企業を紹介します。

【重要】本記事の要約

・水不足を解決する”切り札”となる
・地球の水資源は約97.5%が海水である
・日本は世界最高レベルの技術を持っている

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水不足が深刻化する世界について

水

現在、水不足は21世紀問題の1つと言われています。

その理由は新興国を中心とした急激な人口増加により、枯渇リスクのある資源(水、木、石油など)の需給バランスが大きく崩れるからです。

最近は枯渇リスクのある“有限な資源”を大切にしようとする取り組み(サスティナブル)が拡大しています。これはグローバルなトレンドとなっており、日本でもサスティナビリティへの関心は高まりを見せています。

しかし、世界全体の半導体需要はとどまることを知りません。

おそらく、世界人口の拡大が追い風となり、これからも市場規模は大きくなるでしょう。そのため、半導体製造で大切な綺麗な水は、今後も重宝されることが予想されます。

台湾国内は過去50年で最も深刻な「水不足」

台湾は世界最大手の半導体製造企業TSMC(台湾積体電路製造)を筆頭に、数多くの半導体企業を有しています。

つまり、全世界で半導体の需要が高まるほど「水不足リスク」は高まるでしょう。

現在の台湾国内は過去50年で最も深刻な状況と言われます。通常、「過去50年で最も深刻な状況」と言われれば、半導体の製造量を調整したりすれば良いのではないか??と考える方もいますが、台湾が半導体生産を停止することは考えにくいです。

なぜなら、いまや台湾の半導体供給は世界経済に影響を及ぼすほど大きな存在となっているからです。これらに追い打ちをかけるように、2020年には新型コロナウイルス感染症の影響から”在宅特需”が発生したため、世界全体でノートパソコンや新たな設備投資が必要となりました。

これはほんの一例ですが、世界は目まぐるしく速度で変化しています。そのため、半導体生産を停止することは、世界全体に与えかねないため考えにくいと考えています。

そのため、これからの世界経済を正常に回すためには、「水不足問題」を根本から解決することが喫緊の課題と言えるでしょう。

そんな水不足問題を解決する手段の1つとして、海水淡水化という日本が得意なニッチ産業(ビジネス)が注目を集めています。

日本が得意な海水淡水化の技術とは?

世界全体で起きている水不足の問題は、世界経済に大きな影響を及ぼす可能性を秘めているため、急いで対応する必要があると言われています。

この状況を打破する技術として注目したいのが、海水淡水化技術です。

海水淡水化は水不足問題を解決する”切り札”とも言われています。なぜなら、地球の水資源は約97.5%が海水で残り2.5%が淡水であり、大半が海水で占められているからです。

そのため、海水を人間が飲める淡水にする技術が注目されているのです。

海水淡水化の関連銘柄 一覧表

今回は日本企業の例ですが、海水淡水化の関連銘柄は以下の通りです。

日本の海水淡水化技術は世界最高レベルと言われています。

そのため、世界中から日本の淡水化ビジネスに注目が集まっているのです。

淡水化技術に関連する日本企業は以下の通りです。

東レ(3402)海水を淡水化させるTRシリーズなどを新興国より受注
東洋紡(3101)海水を淡水化させるROモジュールで実績多い
栗田工業(6370)海水を淡水化させる水処理や薬品などで注目
日東電工(6988)海水を高効率で真水に変換できる高分子分離膜を提供
酉島製作所(6363)海水淡水化用の手がけている
日立造船(7004)海水淡水化プラントの建設実績が豊富
野村マイクロサイエンス(6254)半導体製造における洗浄水を製造する装置を手がける

世界の水ビジネスは100兆円市場!?

水ビジネスは世界中で成長が加速しています。

水ビジネスの世界市場規模は2025年に100兆円を超えるとの予測がされており、非常に大きな市場に成長することが期待されます。

もちろん、今回紹介している海水淡水化も水ビジネスの一端を担います。

今後も世界人口の増加や経済成長は成長を続けるでしょう。その一方、大規模な干ばつが発生している地域では、インフラ整備が求められています。

日本に住んでいると実感がわきませんが、世界全体にビジネスチャンスは転がっています。

水ビジネスを展開する日本企業もグローバル競争に参入していくことになるでしょう。

主要な水ビジネスまとめ

・上下水道の整備
・海水の淡水化
・工業用水の設備
・水の再利用(循環)

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おすすめの海水淡水化関連銘柄3選!

続いては海水淡水化のビジネスを手掛ける企業を見ていきましょう。

栗田工業【6370】

栗田工業(出典:栗田工業 個人投資家向け資料より)

1社目に紹介するのは、水処理装置や薬品を事業としている大手エンジニアリング企業の“栗田工業(6370)”です。

栗田工業は半導体の製造工程で使われる水「超純水」の製造システムなども提供しています。

スマートフォンなど向けに微細化された半導体製造の場面でも大きな活躍が期待されます。

超純水(ちょうじゅんすい、英: ultrapure waterhigh-purity water)とは主に産業分野で用いられる用語で、極端に純度の高い水を指す。純水の製造方法では取り除けない有機物や微粒子、気体なども様々な工程を経て取り除かれているのが主な特徴である。

(引用元:超純水 Wikipedia)

栗田工業の海外売上比率は全体のおよそ38.9%(約4割)となっています。

中でも海外売上高のおよそ50%はアジア諸国からの売上で占めており、これから人口増加が期待される地域のビジネスへ順調に浸透していると言えそうです。

中期経営計画においては、売上営業利益率を15%に引き上げる方針を定めています。

2023年通期決算時点での売上営業利益率は10.79%であるため、中期経営計画への達成率は堅調という評価ができます。

決算内容の確認に加えて、将来への見通しに変更はないかチェックしておきたいですね。

野村マイクロ・サイエンス【6254】

野村マイクロ・サイエンス(出典:野村マイクロ・サイエンス 個人投資家WEBセミナー資料より)

2社目に紹介するのは、超純水に特化したエンジニアリング事業を手掛ける“野村マイクロ・サイエンス(6254)”です。

超純水は半導体のシリコンウエハーの製造・洗浄工程で利用される

ケースのほか、医薬品の生産現場でも欠かせない水として重宝されています。

このことから、超純水は長期的に伸びが期待できる産業と言えそうです。

バンビーノ
バンビーノ
半導体の製造では、水の純度が品質や性能に大きな役割を果たしています。今後は半導体の微細化(nm)がより進むので、超純水の役割はますます大きくなりそうです。

台湾の半導体製造大手、TSMC(台湾積体電路製造)は情報処理や携帯電話に該当する半導体製造がメインとなっています。

そのため、超純水に特化した同社は中期的な成長・活躍が期待できるのではないでしょうか。

野村マイクロ・サイエンス
(出典:野村マイクロ・サイエンス 個人投資家WEBセミナー資料より)

東洋紡【3101】

東洋紡(引用:東洋紡 公式HPより)

最後に紹介するのは、水を綺麗にする水処理膜技術を手掛ける世界トップ企業”東洋紡(3101)”です。

東洋紡の水処理膜技術は塩分濃度が高い中東地域の海に適しており、中東地域ではおよそ50%程度のシェアを誇ります。

こうしたグローバル競争を勝ち抜いていることから、東洋紡の技術力の高さが伺えます。

また最近はRO膜という水処理膜技術にさらなる革新を起こすため、新技術『BC膜』の開発に成功しました。

BC膜はRO膜を応用した新しい水処理膜の技術です。

今後は新開発したBC膜を中心にサウジアラビア周辺地域から多くの案件受注を狙います。

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  1. 銘柄スカウターを起動
  2. スクリーニング条件を入力
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銘柄スカウターを起動する

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(1)10年スクリーニングを選択

(2)新規作成を選択

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ほかにも業績成長率(売上高・経常利益・当期純利益)、株主優待の有無など独自のスクリーニングが可能です。

スクリーニング条件を入力する

株主優待銘柄を探すにはスクリーングの「基礎条件の設定」が必要です。条件入力をタップしたら、以下の流れで設定していきましょう。

(1)基礎条件から「株主優待」の項目を探す

(2)「株主優待」ありにチェックをつける

(3)「条件追加」から希望条件を選択

企業分析をおこなう

最後はスクリーニング後に残った選りすぐりの企業をより深く分析していきましょう。

今回は「株主優待」に関連するスクリーニングなので、売上高、経常利益などの業績推移はもちろんですが、配当利回りや企業HPに記載されている株主還元方針を確認しておきましょう。

あなたのスクリーニング次第では、継続的な配当(インカムゲイン)だけでなく、値上がり(キャピタルゲイン)まで期待できる「お宝銘柄」と出会えるかも知れません。

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まとめ

半導体の需要はこれからも増え続けることが予想されています。

しかしその一方で、半導体の製造工程では大量の水が使われることから、製造国トップの台湾などでは水不足が非常に深刻な問題となっています。

水や木、石油などは枯渇リスクのある”貴重な資源”です。そのため、こうした問題は喫緊の課題であり、違う方向性での解決が求められています。

最後に本記事のまとめです。

【重要】本記事の要約

・水不足を解決する”切り札”となる
・地球の水資源は約97.5%が海水である
・日本は世界最高レベルの技術を持っている

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