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【パワー半導体】窒化ガリウム素材の可能性と注目メーカーについて

半導体デバイスは、CPUをはじめとした集積回路が一般的なイメージですが、最近は幅広い分野で半導体需要が活況となっています。

本記事で焦点を当てる『パワー半導体』は、パソコンなどのIT機器だけでなく、自動車、家電製品などさまざまな分野で活用が期待されます。

つまり、さらなる市場規模の拡大が見込まれます。

そのため、今回はパワー半導体は一体どういうものなのか。

また、私たちの生活で身近な商品としてはどういうモノが発売されているのか。

窒化ガリウム製品の特長について解説します。

筆者紹介
テーマ型投資ブログ-バンビーノバンビーノ(@ChiL707)
【要約】本記事のまとめ

①パワー半導体は参入障壁が高い
②日本が保有する技術は世界トップレベル
③車載向けのパワー半導体としても期待されている

パワー半導体とは?

パワー半導体とは?

まずはじめにパワー半導体の特徴についてです。

パワー半導体は高性能な半導体?

はじめにパワー半導体は、電力制御や変換の役割を担う「筋肉」のような存在です。

主な特徴は窒化ガリウムなどの素材を活用することで、高い電圧や電流を流しても壊れない仕組みを実現しています。

これは一般的な半導体と比較して、高性能であるという特徴があります。

最近は世界中で脱炭素化に向けた動きが加速しており、より少ないデバイスがマルチに活躍することが求められます。

一方、1つのデバイスに含まれる半導体の数量は、機能向上及び微細化(集積化)に伴い、増加傾向です。

そのため、半導体市場は今後も需要のある業界と言えるでしょう。

定格電流が1A以上のスペック

パワー半導体と一般的な半導体の違いについて明確な定義はありませんが、パワー半導体は定格電流が1A以上のものと言われています。

定格電流とは…コードリールに電線を巻いたままの状態で使用できる電流の値を示しています。定格電流を超えた電流を流すと 異常発熱を起こし、溶解・焼損しますので注意しましょう。

パワー半導体の世界シェア

次は2019年時点の世界シェアになります。
(以下、QUICK Money Worldの記事掲載を参考)

パワー半導体の世界シェアは、1位がインフィニオンで19.0%、2位が米半導体のオン・セミコンダクターが8.4%、3位がスイスSTマイクロが5.8%と海外勢が上位を占めています。

それに続く形で4位に三菱電機(6503)が5.5%、5位に東芝(6502)が4.5%、7位に富士電機(6504)が3.7%、8位にルネサスエレクトロニクス(6723)が2.8%、9位にローム(6963)が2.4%と続く形で国内勢も世界トップ10入りを果たしています。

バンドッグ
バンドッグ
パワー半導体は高度な技術を要することから、少量生産で参入障壁が高い分野と言われているぞ。

日本企業が目指す展望とは?

パワー半導体市場において、日本企業がいくつかシェアを獲得していることは、先ほどの世界シェアのお話で理解いただけたかと思います。

パワー半導体は国内市場にとどまらず、グローバルで需要増加が見込めます。

そのため、名を連ねている企業の存在感は強くなることが想定されます。

三菱電機株式会社(6503)

三菱電機株式会社(6503)はパワー半導体市場において、日本企業のトップシェアを誇ります。

その技術力の高さから、同社の半導体事業は今後の日本を牽引すると予想します。

三菱電機の強みは、鉄道用インバーターや家電といったパワー半導体を使用するデバイス(製品)を自社で手掛けていることにあります。

また、元財閥系の強みを生かして、数多くの事業を手掛ける子会社を保有しています。

そのため、半導体デバイス関連の製品を自社開発する技術力は強みです。

これは他社にない強みと言えるでしょう。

②富士電機株式会社(6504)

富士電機は、自動車や産業機器で使用するパワー半導体を供給しているメーカーになります。

2023年に向けた中期経営計画(5か年計画)では、『パワー半導体』を成長戦略の中核に位置付け、従来計画より700億円ほど設備投資の増額を発表しています。

こうした動きからパワー半導体市場の規模が拡大する見通しが明るいことがわかりますね。

富士電機は富士電機津軽セミコンダクタ(青森県五所川原市)工場で、増産に向けた設備投資を発表。150㍉ウエハーの新ラインを構築し、24年度に量産を開始する。

富士電機は23年度までの5カ年の中期経営計画で、シリコンを中心にパワー半導体に計1200億円の設備投資を行うとしていたが、今回の投資を含め1900億円まで拡大する見込みだ。

ローム、富士電機が大型投資 次世代パワー半導体で日本が今、大攻勢をかけるわけ

窒化ガリウム素材のパワー半導体に注目?

続いて、窒化ガリウム(GaN)の特徴などを見ていきましょう。

窒化ガリウムの特徴

パワー半導体は富士電機が注力するSiC(炭化ケイ素)に注目が集まりますが、次世代半導体として『GaN-窒化ガリウム-』も覚えておきましょう。

窒化ガリウムは窒素(N)とガリウム(Ga)から構成されており、大きく3つの特性を備えています。

窒化ガリウムの特徴とは?

・高耐圧である
・高度な技術で低損失を実現
・高温環境にも耐性がある

パワー半導体は冒頭でも述べた通り、電力制御や変換の役割を担う「筋肉」のような存在であり、高い電圧や電流を流しても壊れない仕組みとなっています。

もちろん、窒化ガリウムも同じような特徴を持ち合わせています。

窒化ガリウムに注目が集まる理由とは?

窒化ガリウムに注目が集まる理由は、5G(第5世代移動通信システム)の需要増加に合わせて、窒化ガリウム素材の半導体の活用が進んでいるからです。

例えば、住友電気工業(5802)は5Gの基地局向けパワーアンプなどを手掛けており、窒化ガリウムの世界シェアではトップとなっています。

また、シリコンウエハー世界首位の信越化学(4063)は、2020年から窒化ガリウムを使った半導体ウエハーを開発しています。
つまり、日本が保有する窒化ガリウムの技術は世界トップレベルと言えるでしょう。

窒化ガリウム素材の半導体は、今後も需要拡大が期待できます。

これからは主要企業の設備投資にも、目を光らせておきたいですね。

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充電器メーカーでも技術的な採用が加速?

窒化ガリウム素材の半導体は、私たちの身近なところでも使われる機会が増えてきました。それは急速充電器です。

これまで窒化ガリウム素材の半導体は量産化が難しいと言われてきたのですが、最近は技術的な進化と共に身近なところでも目にする機会が増えています。

例えば、世界No.1のモバイル充電ブランドと言われる「Anker(アンカー)」が発表する新製品は、窒化ガリウムを搭載しており、YouTubeで商品レビューが行われています。

気になる方は下記リンクよりチェックしてみてください。

■Anker(アンカー)Japan

グローバルリーディングブランドの「Anker」はパワー半導体素材の窒化ガリウムを採用した独自技術の「Anker GaN II」を搭載して従来製品のコンパクト化、高出力化を実現しています。

Anker (アンカー) Japan公式サイト (ankerjapan.com)

■CIO(シーアイオー)

日本企業の「CIO」は新製品開発をマクアケ(4479)が運営する「Makuake(クラウドファンディングサイト)」で、新製品開発を支援して商品を受け取ることが出来ます。

CIO社も窒化ガリウム素材のパワー半導体を採用することで、製品の小型化を加速させています。

CIO トップページ (connectinternationalone.co.jp)



窒化ガリウムの関連企業はどこか?

次はパワー半導体の中でも成長が期待される、窒化ガリウムに関する事業を手掛けている企業を厳選して紹介させていただきます。

本記事で紹介する企業は以下の3社です。

信越化学工業(4063)

信越化学工業 公式HP(出典:信越化学工業 公式サイトより抜粋)

信越化学工業(4063)は半導体シリコンウエハーで世界首位を誇ります。

2020年より窒化ガリウム素材のパワー半導体の開発を行っており、子会社の信越半導体とともに、パワー半導体と高周波半導体向けに製品を拡充しています。

窒化ガリウム基板はシリコン製の基板と比べて、電気損失を6分の1以下に抑え、半導体の動作の安定や長寿命化に貢献するとされています。

昨今は日本でも電力不足が絶えず発生していますので、電気損失(電力効率)を高められる半導体は重宝されるのではないかと考えています。

そういった点で、信越化学工業は将来の見通しも明るいですね。

住友電気工業(5802)

現在のパワー半導体市場は技術的に参入が難しく、世界シェアは寡占的市場を形成しています。

そんな市場で大きくシェアを伸ばしているのが、住友電気工業株式会社(5802)です。

現在はパワー半導体向けの量産体制を整えており、2022年比較で売上高3倍強の100億円まで引き上げることを目標に掲げています。

また、2024年頃には国内市場への提供予定となっていますので、私たちの生活に身近なもので活用されているというケースも増えてくるかもしれません。

また将来的には、自動車(車載)向けの事業拡大も計画しています。

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三菱ケミカルホールディングス(4188)

三菱ケミカルホールディングス(出典:三菱ケミカルホールディングス 公式サイトより抜粋)

三菱ケミカルホールディングス(4188)は世界最大級の窒化ガリウム基盤製造設備を完成させ、日本製鋼所(5631)と共同実験を行っています。

同製造設備は4インチGaN(窒化ガリウム)基板の量産に向けた結晶成長試験を進めており、現段階では計画通りに結晶成長していると報道されています。

もし成功すれば、次世代EV技術に対しても大きなインパクトがあると言われていることから、株式市場でも期待度の高い実験内容となっています。

共同開発を行っている日本製鋼所(5631)も併せて覚えておくとよいでしょう。

市場規模の拡大が後押し?

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、製造業では需要の減少やサプライチェーン問題から業績が伸び悩んでいる企業も多いです。

半導体市場もサプライチェーンの影響を大きく受けながらも、円安メリットで利益を伸ばすなど目標実現を着実に達成しています。

また、コロナ禍で拡大したテレワークやデータセンター需要は依然として強気の見方が多く、市場規模は成長が予想されています。

今後は省電力へ向けた動きなどが想定されることから、パワー半導体の市場拡大は間違いないでしょう。

次世代パワー半導体の成長に期待したい

2022年時点でパワー半導体の主力は、シリコンを材料に使ったパワー半導体ですが、今回紹介したような次世代パワー半導体も注目を集めています。

ちなみに、SiCパワー半導体やGaNパワー半導体は、既に市場への本格投入が始まっています。

また、SiCパワー半導体は自動車産業での需要が期待されていることから今後の成長に期待が高まります。

  • SiC(炭化ケイ素)パワー半導体
  • GaN(窒化ガリウム)パワー半導体
バンドッグ
バンドッグ
日本企業も活路を見出すことが出来そうだな。

まとめ

本記事は日本政府が掲げるグリーン投資の成長戦略からパワー半導体に注目して、窒化ガリウム(GaN)に関連する企業について書かせていただきました。

本記事のまとめ

・パワー半導体は高い電圧や電流を流しても壊れない仕組みの高性能半導体
【特徴】
・高耐圧
・低損失
・高温環境にも耐性

最後までご覧いただきましてありがとうございます。

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バンビーノ
大学生時代に投資を始めた個人投資家。株式投資を中心とした「銘柄」「資産運用」に関する情報を発信します。お仕事のお問合せまたはTwitter DMよりお願い致します。