「高品質・低価格」という新しい市場で、急激に業績拡大している企業をご存知でしょうか。企業ミッションに「For the Customers(より良いものをより安く)」を掲げ、作業服を中心としたウェア販売を全国展開する”ワークマン”です。
ワークマンは”作業服”をメインに全国出店し、作業服の販売は40年間で築きあげた競争優位性が強みとなっています。しかし、最近は一般消費者向けの製品展開へ注力しており、「ワークマン女子」という言葉が生まれて専門雑誌が出るほどの人気ブランドとなりつつあります。
本記事は”ワークマン”の事業内容と将来性について紹介します。
ワークマンはフランチャイズ経営
まずはワークマンの企業情報から見ていきましょう。
企業情報
会社名 | 株式会社ワークマン(証券コード:7564) |
事業内容 | フランチャイズ契約によるウェア販売 |
所在位置 | 東京都台東区東上野4-8-1 TIXTOWER UENO |
設立日 | 1979年11月 |
資本金 | 16億2,271万円 |
代表取締役 | 小濱 英之 |
ワークマンはFor the Customers(より良いものをより安く)」を企業ミッションに掲げ、アウトドア・ワーキングウェアを販売する専門店を手がけています。
冒頭でも述べましたが、最近は一般消費者向けの製品展開を積極的に進めています。例えば、「ワークマンプラス(WORKMAN Plus)」ではPB(プライベート・ブランド)製品の積極展開、「ワークマン女子」は女性専用製品の拡充など新業態の店舗を全国で拡大させています。
高いフランチャイズ比率が強み

全国各地でワークマンが相次いで出店した理由の1つに「フランチャイズ契約」の比率が非常に高いことが挙げられます。上図は2021年期の決算と22年期の予想になりますが、全国各地の店舗においてフランチャイズ比率は95%です。
ちなみにフランチャイズ比率はコスト管理の面でも有効とされており、みなさんもよく知る企業はフランチャイズ展開しているかも知れません。
例えば、フランチャイズ契約で有名な企業の1つとしては「セブンイレブン」を経営する”セブン&アイ・ホールディングス”でしょう。セブンイレブンは全国で約21,150の店舗展開をしています。しかし、直営店はその中でもおよそ2%しかありません。
つまり、残り98%の店舗はフランチャイズ店となっており、ワークマンと同じく高い比率となっています。
フランチャイズ・システムと収入割合

続いてはワークマンが展開するフライチャイズ店からの収益構造を見ていきましょう。上図は公式IR資料として開示されているフランチャイズ・システムです。
ワークマンはフランチャイズ店よりロイヤリティ収入を得ています。
開示資料によれば、加盟店の粗利益から加盟店収入が40%、本部へのロイヤリティが60%とロイヤリティの方が高く設定されています。なおロイヤリティ収入のうち、およそ半分は店舗家賃・チラシ・配送コストに活用されているようです。
ロイヤルティー(英: royalty)とは、特定の権利を利用する利用者が、権利を持つ者に支払う対価のことで、主に特許権、商標権、著作権などの知的財産権の利用に対する対価をいう。日本語では本来の綴り・発音から離れたロイヤリティーということも多い。
(引用元:Wikipedia ロイヤリティー)




これからの成長可能性について


続いてはワークマンが手掛ける事業の成長可能性を見ていきましょう。
今回、注目したいのはPB(プライベート・ブランド)商品の開発・販売拡大です。ワークマンは「よい品をより安く」を商品戦略に掲げ、高収益なPB商品で競合他社と差別化を図っています。
PB商品の競合優位性


ワークマンのPB商品においては、3つの競合優位性があります。
1つ目は約40%の粗利率を実現する収益性です。
ワークマンのPB商品は企画開発から販売まで一括管理し、低価格商品でも高い収益性を実現しています。なお、PB商品の開発・販売は「ブランド力」や「収益性」を高める戦略として各社が鎬を削っています。
アパレル業界でPB商品を取り扱う企業はZOZO<3092>です。ZOZO(旧.スタートトゥディ)はZOZOSUITで一躍有名になったPB事業でスーツやシャツなど多角的な商品展開をおこなっています。こうした成功事例からワークマンのPB商品戦略も期待ができると予想されます。
2つ目はPB商品の継続販売です。
ワークマンは自社開発したPB商品を単年販売ではなく、複数年にわたって販売しています。この戦略により定番商品のブランド強化と高い収益性を保つことが可能になります。もし、人気商品で買えなくても継続販売されていれば、安心して納期待ちすることもできそうです。
最後の競争優位性はプロと一般が共通利用できる商品開発です。
最近の作業服はファッション雑誌が注目するほど、私服に近い高機能性に進化しています。こうしたように一般消費者が利用する商品とプロ仕様の製品を統一することで高い収益性を生み出します。
ワークマンの競合優位性
- 高い粗利率
- PB商品の継続販売
- 共有製品の開発、販売
今期の販売状況について


上図は中間決算(第2四半期決算)終了時点でのPB商品販売状況になります。本章では22年3月期の最新販売状況から、各商品群の売上まで深掘りしていきましょう。
フランチャイズ店の売上に対する、PB比率は58%と順調に成長しています。また各商品群の中で最も売上貢献しているのが、ワーク&アウトドアの「FieldCore(以下、フィールドコア)」となっています。
フィールドコアは仕事着の品質をそのままに、オフでもデザイン性重視のPB商品です。高品質・高機能が特徴である商品群となっており、圧倒的な低価格が一般消費者に受け入れられています。
2020年より世界中で流行している新型コロナウイルス感染症の影響で、キャンプが一大ブームとなりました。その為、アウトドアを始める利用者が急増しています。つまり、ワークマンのPB商品「フィールドコア」は今後も継続的に需要があると言えるのではないでしょうか。
【最新】第3四半期の決算まとめ


ワークマン(7564)が22年期の第3四半期決算を発表しました。簡潔にまとめると、売上高や経常利益など過去最高益を更新見込みです。
しかしながら、足元では円安や原材料、配送賃料などのコスト上昇が強いことから厳しい経営環境になっています。今後も仕入れコスト高など向かい風な経営環境が続く可能性もあり、客単価・客数などが減少しないか「月次速報」でしっかり確認しておきましょう。
直近の株価水準について


株式会社ワークマン(7564)は現JASDAQスタンダードで時価総額2位を誇る新興企業です。4月の東証再編後は「スタンダード市場」に市場変更すると情報開示されていますから、プライム市場への昇格を楽しみにしたいですね。
各指標については下記の表を参考にされてみてください。
株価 | 5,150円 | 信用倍率 | 2.3倍 |
PER | 23.2倍 | 外国人保有率 | 8.4% |
PBR | 4.53倍 | 回転日数 | 18.40 |
配当 | 64円 | 時価総額 | 6,703億円 |
総括
いかがでしたでしょうか。
今回は作業服を中心としたフランチャイズ経営で快進撃を続ける”ワークマン”の事業内容と将来性について書かせていただきました。
少しでも参考になれば幸いです。
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