資産運用

【第3回】円安で外貨預金者が増加する理由と日本の将来を考察する

こんにちは、バンビーノです。

岸田首相は金融街シティーで『新しい資本主義』の具体策として、貯蓄から投資を促す「資産所得倍増プラン」に着手することを明らかにしました。

これは日本の家計金融資産が増えいない問題を指摘したうえで、継続的に投資を行う資金が豊富とアピールしていると考えられます。

岸田首相といえば、総裁選直後に自社株買い規制や金融所得課税の見直しを主張し、就任早々に大きく株価を下げる「岸田ショック」を経験しています。

そのため、投資政策を世界へ発信したのは意外といえるでしょう。

しかし、「資産所得倍増プラン」は一概に良い面ばかりではありません。預金金利がつかない日本人が「ドル高/円安」の影響で貯蓄から投資へ動くことで生じるデメリットもあるのです。

本記事は円安で外貨預金者が増加する理由と日本の将来は大丈夫なのか考察していこうと思います。

日本経済の現預金が多い理由とは?

日本の家計は保守的傾向が強い

日本では「貯蓄から投資へ」というスローガンが繰り返されていますが、その根底は「諸外国と比較して現預金の割合が高く、投資資金に向かっていない。

そして、これが経済低迷に繋がっているという認識があるものと思われます。

    金融資産 保有額(万円)割合
総額1,770100%
預貯金(定期預金含む)1,01357.2%
生命保険(個人年金・損害保険含む)41523.4%
債券392.2%
株式1528.6%
投資信託965.4%
財形貯蓄412.3%
その他金融商品140.8%

(参照:知るぽると金融広報中央委員会)

日本では現預金の比率が50%なのに対し、米国は10%、欧州は30%となっています。

一方、株式や投資信託などリスク資産は米国が50%、欧州は30%に対し日本は10%程度にとどまっていると言われます。

しかしながら、現預金比率の高さは日本経済の重要なポイントになっている可能性があります。

現預金は日本経済のポンプ機能?

諸外国と比較して現預金比率が高いことは事実ですが、日本がこうした状況にあるのは経済事情が大きな要因かも知れません。

日本経済は長期で景気が低迷しており、家計や企業は現預金という資産防衛を選択してきた実情があります。

個人の金融資産から見た場合、現預金は資産が「眠っている」状態であるわけですが、実はそうではありません。

現実は現預金をもとに銀行が資産運用を行って、投資や消費に活用されています。
つまり、個人の金融資産は巡り巡って経済を動かしています。

そうした事実を踏まえると、岸田首相が掲げる「資産所得倍増プラン」は、日本経済のポンプ(心臓部)機能を弱体化させる可能性を秘めていると言えるのではないでしょうか。

現預金が外貨に変わる可能性は?

次に現預金を投資に回すことが出来たケースも考えてみましょう。

円建て資産に資金は回らない?

仮に塩漬けされている現預金を投資に回すことが出来た場合、その矛先が円建て資産に向かう可能性は極めて低いと考えています。

そう考える理由は2つあります。

1つ目は円安(円売り)の更なる加速、2つ目は日本経済の低迷です。

①円安(円売り)の更なる加速

昨今は円安の終息にめどが立たず、日々為替に関するニュースが報じられています。

現時点で考えられる最大のリスクは「個人資産の円売り」が勢いづくことによる、円安(円売り)の更なる加速です。

先ほど述べた通り、日本の現預金比率は50%で諸外国より預金比率が圧倒的に高いです。

金額に直すと現預金はおよそ1,000兆円あると言われていますから、世論が円売りに傾いてしまうと5%程度動くだけで50兆円が吹き飛んでしまいます。

バンビーノ
バンビーノ
ねぇねぇ、50兆円の規模感がわからないんだけど、どれくらいすごい金額なの?
バンドッグ
バンドッグ
概算で日本の経常黒字3年分に相当するぞ。
それが動くとどうなるかは分かるよな?
バンビーノ
バンビーノ
…ごくり

②日本経済の低迷

皆さんもご存じの通り、日本経済は長期低迷状態が続いています。

高度経済成長期には世界を圧巻した歴史がありますが、今は過去の話です。

国内総生産(GDP)成長率も他国に大きく引きはがされ、新型コロナウイルス感染症拡大前の水準を割り込んだままの先進国は日本だけです。

今後も少子高齢化社会の到来で日本はより貧しい国になっていくでしょう。

世界的にも先進的な事例となる「超高齢化社会」においては、よほどの天変地異が起こらない限り、大きな成長を日本が成し遂げることはないと思われます。

③資産所得倍増プランは円安を加速させる

そんな自国通貨を持つより、今後もインフレが期待される国の資産を持つ方がメリットが大きいでしょう。

なぜならインフレ局面では、他国の政策意図を組んで動くことしかできないからです。

現にアメリカのインフレに合わせて円安・ドル高は調整される気配がなく、日本は身動きが取れない状態となっています。

つまり、個人資産が投資に向いたとしても、むしろ円安(円売り)を促進する材料となる可能性があると言えるでしょう。

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【予言】イーロン・マスクが語る「日本」

電気自動車大手のテスラ創業者であるイーロン・マスク CEO(最高経営責任者)は最近、Twitterでこんなことを予言しています。

「出生率が死亡率より高くなるような何らかの変化がない限り、日本は消滅する。」

これが世界中でニュースとなっており、大きな話題を呼んでいます。

しかしながら、出生率の低下や高齢化などの構造問題は日本の「闇」であり、本質的には大変まとを得た意見だと思います。

これから成長を期待できない国として、日本はどんどん世界から「選ばれない投資先」になっていくかもしれません。

総括

本記事は岸田首相が掲げる「資産所得倍増プラン」に焦点を絞り、外貨資産に資金が逃げていく理由を述べてまいりました。

日本は現預金が多いことが度々、問題視されますが経済の重要な調整機能を担っています。

そのため、それらを投資に回せば、日本経済の衰退を促進する可能性があると考察しました。

これまでは「有事の円買い」として事ある度に資金を集めていましたが、これからはそう上手くいかないでしょう。

家庭の現預金が円以外の通貨に変わる日は案外近いかもしれませんね。

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