日本株

FRONTEO(フロンテオ)の事業内容と将来性を分析しよう

2022年は米国や欧州で急速なインフレが発生し、金融市場では金融引き締めを実施する動きが見られました。

なかでも、最近は景気後退局面に突入するのではないかと言われており、株式市場にとっては悪影響がでる可能性がありそうです。

このような背景から、SNSでは短期的な投資が散見されますが、こんな相場だからこそ、仕込んでおきたいのが「将来性のある成長企業」です。

本記事では注目度の高い”AI(人工知能)”を活用したサービスを提供する、FRONTEO(以下、フロンテオ)の事業内容や将来性について考察します。

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フロンテオはAI支援サービス企業

まずはFRONTEO株式会社の基本情報から見ていきます。

企業情報

会社名FRONTEO株式会社(証券コード:2158)
事業内容AI活用による業務効率化の支援
所在位置東京都港区港南2-12-23 明産高浜ビル
設立日2003年8月
資本金29億7,397万円
代表取締役守本 正宏

FRONTEO株式会社(2158)は「BRIGTH VALUE」を企業理念に掲げ、自然言語を解析するテクノロジーAIを活かした専門業務の効率化サービスを展開しています。

株主構成においては、システムインテグレーション(SI)を手掛ける、フォーカスシステムズ(4662)が社長に次ぐ筆頭株主です。

主な事業内容は2つに分類されます。

  1. リーガルテックAI事業
  2. AIソリューション事業

これから1つずつ事業を紐解いて深堀りしていきます。

①リーガルテックAI事業とは?

(出典:FROTEO 公式HPより一部抜粋)

まずは事業内容①で挙げた主力事業「リーガルテックAI」について説明していきます。

リーガルテックAIは、人工知能とデジタルフォレンジック(デジタルデータを保全・解析する技術)を活用した電子証拠開示支援、不正検知調査などを官公庁・国家機関向けに提供しています。

他社との差別化ポイントは、フロンテオが独自開発した日本初の人工知能エンジン「KIBIT」です。

「KIBIT」は人工知能のLandscapingと行動情報科学を組み合わせたAIエンジンとなっており、人間並みのレベルで判断力や情報選択を行うことが出来ます。

とはいえ、AIエンジンは学習方法も大切です。

「KIBIT」はテキストから文章の情報を読み取り、人の暗黙知や感覚を学びます。

こうした学習を繰り返すことで、「KIBIT」は人間並みの判断力や情報選択力を日々養っています。

暗黙知とは…「経験や勘、直感などに基づく知識」「簡単に言語化できない知識」「言語化しても、その意味が簡単には伝わらない知識」のことで、経験知識とも呼ばれています。

(引用元:暗黙知とは?カオナビ-ビジネス用語集)



②リーガルテック事業の実績

リーガルテックAI-FRONTEO(出典:FROTEO 公式HPより一部抜粋)

現在「KIBIT」を搭載したリーガルテックAIは、官公庁・国家機関向けのソリューションとして提供されています。

そのなかでも、大きく3つジャンルで実績が積みあがりつつあります。

1つ目は国際訴訟におけるディスカバリーです。

「KIBIT」を搭載したAI活用による国際訴訟のeディスカバリーは、8,400件以上の対応件数までスケールしてきました。

最近は人間の仕事をAIが代替するという話しが話題に上がりますが、国際訴訟のAI活用は最たる例になるかもしれません。

2つ目は不正検知などのインシデント調査です。

フロンテオはインシデント調査のリーディングカンパニーとして、スマートフォンやPCなどのデバイス機器、システム内のビッグデータ解析にいたるまで幅広く活躍しています。

3つ目は官公庁・機関向けのトレーニングです。

フロンテオはインシデント調査として、高いパフォーマンスを出すだけに留まらず、ソフトウェアの製造、販売、トレーニングをトータル提供している一面もあります。

国際訴訟における証拠の発見という妥協の許されない業務において、FRONTEOは「KIBIT」を開発しました。限られた時間の中で大量のテキストデータから証拠となるデータを見つけなければなりません。そのようなリーガル事業で培われ、発展した「KIBIT」は、専門家の経験や勘などの「暗黙知」を学び、人の思考の解析から、未来の行動の予測を実現します。

(引用元:FRONTEO KIBITの特徴より)



③AIソリューション事業とは?

(出典:FROTEO 公式HPより一部抜粋)

続いては第2の柱である「AIソリューション」について説明していきます。

AIソリューションは、2番目に大きな売上高となっている事業です。

こちらは将来的に他業種への横展開が期待されています。

現在のサービスとしては、顧客が持つデータを収集、分析、報告することで「意思決定」の支援をサポートしています。

日本企業はデータ分析を苦手とする人も多く、ITリテラシーが低いとも言われています。

そのことから、AIソリューション事業は経営層向けのサービスとして、大企業を中心に導入が拡大しています。

また、AIソリューション事業はチャットボットやテキストマイニングなどに、”暗黙知”の要素を加えることで、競合他社にはない差別化を実現しています。



今後の将来性や成長可能性

次はフロンテオの将来性、成長可能性についてもみていきましょう。

各事業が均等な成長を遂げる未来を描いている

(出典: FRONTEO 説明会資料より一部抜粋)

フロンテオは将来的な売上構成として、AIサービスの売上高が急速に拡大する予測を開示しています。

今回、注目したい点は各事業が「均等な売上高を実現すると見込んでいるところではないでしょうか。

ライフサイエンス事業やビジネスインテリジェンス事業の成長が著しいのはもちろん、現時点で主力の売り上げを誇るリーガルテックAI案件を差し置いて、他のAIサービスが追い抜く予測になっているのは、将来性あふれる事業構想だなと感じます。

これからのフロンテオは、将来的な「ステージ4」の実現に向けて、事業構造を大きく変革させるフェーズです。

そのため、株価を押し上げるような提携・新サービスなどの材料が多く出てきそうです。

ただし、AI関連銘柄は個人投資家が手を出しやすい人気テーマなので、ニュースリリースをきっかけに過剰な反応する可能性もあります。

そんなときは中期的なシナリオを描いたうえで取引したいですね。

【最新】第3四半期決算のまとめ

最新の決算では、22年期の第3四半期決算を発表しました。

簡潔にまとめると、売上高は堅調に成長しており事業に安定感が伺えます

前年は通期利益が赤字着地だったため、事業が堅調に成長し、利益ベースでも黒字転換することは市場から好感されそうです。

特に経常利益が前年比で21倍という脅威の数値となっています。

通期計画に対する進捗率も82.5%と順調な様子であることが見て取れます。

詳しい数値についても見ていきましょう。

FRONTEOの最新決算

  • 売上高:85億2,200万(+12.7%)
  • 営業益:13億9,300万(+21倍)
  • 経常益:14億300万
  • 四半期益:9,300万

しかしながら、まだまだ売上高成長のインパクトは弱いようにも思います。
これから事業構造を大きく動かすには、一時的な利益の圧迫もやむを得ません。

そういった意味でもトップライン(売上高)がもう少し拡大してほしいなと感じます。

直近の株価について

FRONTEO株式会社(2158)は東証グロース市場で時価総額630億円を誇る新興企業です。

各指標については下記の表を参考にされてみてください。

あくまで筆者の主観ですが、株価は割高水準であるように思います。

最近の日本市場は成長株(グロース株)よりも高配当・割安株に資金が流入しています。

これは外部環境的な要素も大きいですが、強烈なインフレーションを抑制するために各国は金融引き締めに動いています。

そのため、将来性やマーケット拡大に注力する企業にとっては、向かい風といった状況が続くと思われます。

そのため、東証グロース銘柄の株式を買うのは、慎重に判断したいです。

株価1,618円信用倍率1,124倍
PER57.8倍外国人保有率2.6%
PBR11.28倍回転日数3.8
配当7円時価総額636億円

総括

本記事はAI関連サービスを手掛ける”FRONTEO(フロンテオ)”について記事を書きました。

個人的な感想としては、グロース株(成長企業)への資金流入が期待できないため、強気で取引することは控えたいと感じました。

フロンテオに将来的な事業拡大や構造変革に期待する投資家は、現物として長期ホールドを続けるくらいの心づもりが良いのではないかと思います。

最後までご覧いただきましてありがとうございます。

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バンビーノ
大学生時代に投資を始めた個人投資家。株式投資を中心とした「銘柄」「資産運用」に関する情報を発信します。お仕事のお問合せまたはTwitter DMよりお願い致します。




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