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【米国株】ディア・アンド・カンパニーが完全自動運転トラクター量産化

【米国株】Deere&Company サムネイル
【冒頭】本記事のまとめ

・世界最大手の農機メーカー
・完全自動運転トラクターの量産化に注目!
・独自性のある参入障壁を築いている

農業分野では農業機械・穀物・肥料など細部に至るまで物価上昇の影響がでています。

これからは日本国内でも相次ぐ値上げが行われる予定となっており、市場全体に警戒感(景気後退)が漂っています。

そうした状況で『ブランド力』のある企業に注目が集まっています。

本記事では、独自のローカルネットワークで強固なビジネスを築いている、農業界の世界No.1企業「ディア・アンド・カンパニー(ティッカー:DE)」を紹介します。

ディア・アンド・カンパニーは世界最大手の農業機械メーカーで、農業用トラクターやコンバインなどを世界中に製造・販売しています。

2022年後半には完全自動運転の新型トラクターの量産化を開始するため、その技術力にも注目が高まっています。

世界最大手の「農業機械メーカー」

ディア・アンド・カンパニーの特徴

まずはディア・アンド・カンパニーの基本情報を見ていきましょう。

会社名ディア・アンド・カンパニー(DE)
英語Deere & Company
事業内容農業機械メーカー
所在地イリノイ州モリーン
設立日1837年
代表取締役サミュエル・アレン

ディア・アンド・カンパニー(ティッカー:DE)は、世界最大手の農業機械メーカーで創業から185年以上の歴史があります。

S&P500にも選ばれている超優良企業ですが、その事業内容ゆえに日本国内で目にする機会は少ないかもしれません。

ディア・アンド・カンパニーの1837年創業の老舗企業です。当時は鍛冶屋だったジョン・ディア(John Deere)氏が鉄製の犂(すき)を販売したことが起源とされています。

アメリカでは創業者の名前を冠したブランド名『ジョン・ディア』で親しまれています。

2021年時点の世界市場ランキングでは、農業機械メーカーで世界シェア40%以上を獲得し、長年世界No.1の座をキープしています。

近年は建機メーカーとして世界5位にランクインするなど、他事業も着実に力をつけており、全世界で通じる『ブランド力』があります。

完全自動運転トラクターの量産化で注目される

ディア・アンド・カンパニーは世界最大の技術見本市「CES 2022」にて、完全自動運転のトラクターを量産化すると発表しています。

完全自動運転を実装した新型トラクター「Deere 8R」は、運転席が設けられているものの、運転手の乗車せずに運転することが可能です。

「Deere 8R」が完全自動運転を実現できた秘訣は、高度なAI(人工知能)とステレオカメラを搭載したことにあります。

ステレオカメラは周囲360度の障害物までの距離を算出しながら、最大で1インチ単位の綿密な自動走行ができます。

最近はさまざまな企業が自立走行型トラクターを開発していますが、運転席に人がいなければならない条件付きの製品も多いです。

それに比べて「Deere 8R」は運転席に人がいなくても運転できるため、農業生産者は別の仕事を行うなど時間を有効活用できるでしょう。

つまり、完全自動運転トラクター「Deere 8R」は農業生産者の作業効率を大幅に高めることができる注目製品と言えるでしょう。

完全自動運転トラクターが世界を救う?

農林水産省-世界の食糧需要量(2050年見通し)(引用:農林水産省 世界の超長期食糧需給予測システムの予測結果)

国際連合が公表している「世界の人口推移(1950~2050年)」では、世界人口の増加が見込まれています。

それに伴って、農業分野の食糧需要は増加する見通しです。

もう少し詳しく見ていきましょう。
農林水産省が公表している「2050年における世界の食糧需給見通し」によれば、世界の食糧需要量は2010年比で約1.7倍(58.17億トン)まで拡大すると見込まれます。

つまり、ディア・アンド・カンパニーの農業事業は、これからも長期的に需要が絶えない産業と言えそうです。

その一方、世界全体の農業生産者はあまり増えないと言われており、今のままでは農業生産者が世界全体で圧倒的に足りない現状があります。

そのため、完全自動運転トラクターは世界問題を解決に導く手段の1つとなります。

自動運転で取得したデータの使い道はどうなるか?

これまでディア・アンド・カンパニーは、農業機械の自動化に取り組んできました。

これからは収集したデータの活用方法に注目が集まっています。

なぜなら、自動化で収集したデータは、新しい製品の開発やアルゴリズムの改良に利用できる貴重な資源だからです。

農業はデータ社会と無縁な印象がつよいですが、将来的には完全自動運転トラクターで大規模な「データ農場」を運営する企業が出てくるかもしれません。

これは筆者の個人的な考えですが、取得したデータの販売、それを活用したデータのサブスクリプション(月額性)を提供できれば、よりディア・アンド・カンパニーの事業基盤はつよくなると考えています。

ディア・アンド・カンパニーへの投資はあり?なし?

脱炭素 米国株

続いてはディア・アンド・カンパニー(ティッカー:DE)へ投資できるか考えます。

まずは結論です。

長期的な成長が期待できるため、積極的に買いたいと考えています。

それでは投資を検討するための材料を見ていきましょう。

景気の影響を受けやすい”シクリカル銘柄”

農業セクター(業種・グループ)の企業は”シクリカル銘柄”と言われます。

シクリカル銘柄とは…景気による変動を受けやすい業種(鉄鋼・化学・紙パルプ・精密機械など)を指しており、日本の自動車産業もシクリカル銘柄の一面があります。

ディア・アンド・カンパニーは最大手のメーカーであるため、農業セクターの中では安定した値動きをしていますが、景気による影響を受けやすい点は事前に理解しておく必要があるでしょう。

シクリカル銘柄のメリットは、景気が好調なら株価も向上しやすいことが挙げられますが、景気が後退すると株価も下落しやすいことがデメリットです。

日本企業のシクリカル銘柄(代表例)はこちら!

業種銘柄
鉄鋼<5401>日本製鉄
<5411>JFE HD
化学<3405>クラレ
<3407>旭化成
紙パルプ<3863>日本製紙
<3880>大王製紙
自動車<6902>デンソー
<7267>ホンダ
精密機器<7701>島津製作所
<7733>オリンパス

 



バンビーノ
バンビーノ
どうしてシクリカル銘柄は景気に左右されるのでしょうか?
バンドッグ
バンドッグ
単純に景気が良ければ素材・製品がたくさん売れるからだな。だから、景気が悪いと需要が悪化して業績は悪くなる傾向にあるんだ!

全世界に張り巡らされた”高い参入障壁”

高い参入障壁 ディア・アンド・カンパニー【DE】

ディア・アンド・カンパニーの強みは製品のみだけではありません。

農産物の収穫を的確にサポートする”ディーラー拠点”が全世界に張り巡らされています。

米国内で1,900拠点、全世界で3,700拠点のローカルネットワークを崩すことは実質不可能でしょう。

また製品単体の強みという点では、世界シェア40%以上を保有しているブランド力が大きな参入障壁となります。

すなわち、ディア・アンド・カンパニーは長い歴史で培った大規模なローカルネットワークと圧倒的な製品シェアで大きな参入障壁を築いています。

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ディア・アンド・カンパニーの業績推移について

最後にディア・アンド・カンパニー(ティッカー:DE)の業績を見ていきましょう。

売上高・営業利益ともに好調を維持!

ディア・アンド・カンパニー 業績(出典:マネックス証券 銘柄スカウター米国版より)

ディア・アンド・カンパニーは過去5年間で売上高10.6%のCAGR(年平均成長率)を実現しています。

また営業利益ベースでは、過去5年間のCAGRが27.7%と驚異的な成長を遂げています。
非常に強固なビジネスモデルかつ利益成長も高い点は魅力的です。

しかし、これからは半導体部材の値上げの影響を受けて製品単価が上昇することが考えられます。そのため、売上高の成長だけでなく「成長の中身」を追い続ける必要があるでしょう。

世界人口が増加しても食料となる農作物が増えなければ、我々は食糧問題に直面します。

そういった意味でも食糧問題を解できる、農業機械メーカー・穀物生産企業に注目が集まりそうです。

DEの指標一覧

ディア・アンド・カンパニー(ティッカー:DE)の指標一覧も確認してみましょう。

PER17.8倍
PBR5.6倍
EBITDA15.9倍
自己資本比率21.9%
実績ROE35.5%
実質ROA7.36%
ROIC9.4%
配当性向21.4%

本記事が注目したい指標はROE(自己資本利益率)です。

ROEは企業の収益性を見る指標として活用されており、「企業に投資してどれだけ利益を効率良く得られるか」を表しています。

投資家は「投資額に対して企業がどれだけの利益を上げられるか」という点を重視しているため、ROEは最も重要視される財務指標と言われることもあります。

一般的にROEは10.0%以上あれば投資価値があると言われています。

ディア・アンド・カンパニーのROEは35.5%あるので、投資価値が高いと判断できます。

しかしながら、株価指標は総合的に判断する必要があるため、ROEだけで判断するのは時期尚早です。

農業機械メーカーは景気変動リスクを受けやすいシクリカル銘柄であるうえ、気候変動による悪影響を受けやすい特徴があります。

またビジネスモデル上、世界中に大規模なローカルネットワークを張り巡らせているため、地政学リスクや為替リスクは懸念材料として挙げられるでしょう。

そうした点を理解した上で投資の判断していきたいですね。

まとめ

本記事では、トラクターやコンバインなどの農業機械を製造・販売している世界最大手の農機メーカー「ディア・アンド・カンパニー(ティッカー:DE)」を紹介しました。

農業セクターは景気変動リスクを受けやすい特徴があるため、金融引き締めを通じた景気後退が懸念されている局面では手が出しづらいです。

しかし、長年の歴史で培った世界中のローカルネットワークやブランド力は後発企業が簡単に模倣できるものではありません。

そうした参入障壁を今後は価格転嫁できるかは注目です。

【最後】本記事のまとめ

・世界最大手の農機メーカー
・完全自動運転トラクターの量産化に注目!
・独自性のある参入障壁を築いている

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大学生時代に投資を始めた個人投資家。株式投資を中心とした「銘柄」「資産運用」に関する情報を発信します。お仕事のお問合せまたはTwitter DMよりお願い致します。




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