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転職支援サービス「ビズリーチ」運営”ビジョナル”の強みと将来性について

BizReach(ビズリーチ)ビジョナル株式会社

ハイクラス人材の転職支援サービス「ビズリーチ」は特徴的なCMで注目を集めています。

ビズリーチを運営するビジョナル株式会社は、M&A(企業の合併・買収)にも積極的で今後のHR(人材)テック市場を牽引するとも言われます。

本記事はビジョナル株式会社のビジネスモデルや将来性に関する考察をまとめました。ビジネスモデルや強みを知りたいという方はぜひ最後までご覧ください。

本記事の内容まとめ

・売上高の8割がビズリーチ
・第2の柱(事業)が成長中
・将来的には多角化経営の実現を目指す

ビジョナル株式会社の基本情報と事業内容とは?

はじめに、ビジョナル株式会社の基本情報を見ていきましょう。

ビジョナル株式会社の企業概要

会社名ビジョナル株式会社(証券コード:4194)
事業内容人材支援サービス(HRテック)
所在位置東京都渋谷区渋谷2-15-1
設立日2009年
資本金164億円
代表取締役南 壮一郎

ビジョナル株式会社(4194)は、人材支援サービス(HRテック)を手掛けるテクノロジー企業です。

企業ミッションには「新しい可能性を、次々と。」を掲げ、社会にインパクトを与え続けるという理念が感じられます。

ビジョナルの中核事業はハイクラス人材の転職支援「ビズリーチ」です。
ビズリーチは売上高の80%強を占めており、同事業の先行きがビジョナルの成長を表します

ビジョナルは2021年4月22日に現東証グロース(旧マザーズ)に上場を果たし、上場当初から想定時価総額が1,500億円を超える大型IPOとして注目を集めました。

ハイクラス人材の転職支援「ビズリーチ」

ビズリーチは『求められているのは即戦力』というキャッチコピーを掲げる、ハイクラス人材の転職支援サービスです。

転職支援といえば、リクルートやマイナビなど大手企業が思い浮かびますが、ビズリーチは独自のビジネスモデルでマーケットを切り開いています。

ビズリーチの特徴は、企業が求める人材へ直接アプローチする”ダイレクトリクルーティング”と呼ばれる採用方法です。

一般的な就職活動は求職者が企業を見つけて応募するという流れですが、ダイレクトリクルーティングでは企業側が欲しい人材を見つけて、直接アプローチすることができます。

最近は新卒採用にダイレクトリクルーティングを採用している企業も多いですが、ビズリーチはまさにパイオニアといえるでしょう。

それでは、ビジョナルのダイレクトリクルーティングは他社と比較してどう優れているのでしょうか?

詳しいビジネスモデルを見ていきましょう。

ビズリーチのビジネスモデルとは?

ビズリーチのビジネスモデルを見る上で特徴的なのは、求職者が課金するシステムであることです。

一般的な人材支援サービスは企業が採用費用を負担する「成果報酬型」のビジネスモデルが主流でした。

しかしながら、ハイクラス人材は求人情報を提供するのが難しく、採用に苦戦することも少なくありません。

それをビズリーチは求職者から月額利用料(サブスクリプション)が得られるビジネスモデルとし、より厳選された人材へアプローチすることを可能にしました。

人材業界ビジネスモデル(例.一般的な転職サービスのビジネスモデル)

つまり、ビズリーチは採用側にとってもメリットのあるサービスです。

なぜなら、転職に対して前向きな課金求職者(やる気のある人材)へ求人情報を公開できるため、ミスマッチングを防止することができると考えられます。

①一般的な転職サービスは求人企業から収益を得る
②ビズリーチは求職者から収益を得るビジネスモデル

HRクラウド「HRMOS(ハーモス)」

HRMOS(ハーモス)採用(出典:HRMOS 人材管理HRテック 公式サイトより)

2つ目の事業はビジョナルのHRテックのSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)事業である「HRMOS(ハーモス)」です。
ハーモスは採用管理や人材管理ツールといった採用活動中の候補者や入社後の社員管理を行うサービスです。

2016年の事業開始以来、サービス内容を徐々に拡大し、現在は中核事業(第2の柱)にまで成長しました。

ちなみにハーモスは採用・勤怠サービスを提供していますが、売上貢献度が高いのは採用に関する「HRMOS採用」です。

やはり採用活動や人材管理に結び付くサービスを一気通貫できる点はビジョナルの強みと言えますね。

エコシステムの実現に向けて

HCMエコシステム(ビジョナル)(出典:HCM(人材資本管理) エコシステム構築 IR資料より)

ビジョナルは中核事業のビズリーチと採用管理のHRMOS採用を通じたエコシステム(連鎖的収益)の実現を目指します。

今後は給与なども含めたサービス拡大を計画しており、HRテック領域に幅広く浸透するサービスとなる予定です。

これからの日本は働き手不足の時代が来ると言われています。

そのため、人材管理・人材評価の透明性など従業員管理するシステムは欠かせないと言えるでしょう。

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【将来性】ビジョナルは多角的な経営になる?

ビジョナルはこれまで説明した2つの事業を核とした人材サービス企業です。

ビズリーチのビジョナルから脱却する

ビズリーチは、特徴的な広告宣伝を皮切りに認知度が急拡大しています。

しかし、代表取締役社長の南さんは「ビズリーチのビジョナル」としてサービスが企業名より認知されることにしまったことを課題として挙げています。

よって、今後は「ビジョナル」として認知されるような動きが見られそうです。

そのため、他サービスの事業拡大及び売上比率の改善が必要であるでしょう。

続いては「ビズリーチのビジョナル」からどうやったら脱却できるかを見ていきましょう。

事業成長のカギを握るのは?

ビズリーチ・ハーモスは堅調な成長を実現していますが、長期的にビジョナルは成長し続けることはできるのでしょうか?

そのカギは新規事業の創出にあるでしょう。

最近はITシステムの脆弱性管理クラウドサービス「yamory(ヤモリー)」をリリースさせるなど新規事業に力を入れています。

ほかにも物流業界のマッチングを実現する「トラボックス(TRABOX)」など、一般的な人材サービスの枠を超えた新規事業を開始しています。

ビジョナルは長期的な成長実現のために新規事業の創出が欠かせないとIR資料で開示しており、スケール化が判断された事業には資金を投入して多角的な経営を実現する予定です。

バンドッグ
バンドッグ
紹介した事業も大枠で見れば人材に関連する事業だな。持ち前のスピード感でほかの事業が成長しているかなどチェックしていこう。

強固なビジネス基盤の確立に向けて

ビジョナルの成長戦略(投資ブログ)(出典:ビジョナルの沿革 公式IRより抜粋)

ビジョナルは創業以来、中核事業「ビズリーチ」の高い成長に支えられて上場まで辿り着きました。

しかし、近年は新規事業を立ち上げ、より強固なビジネス基盤を確立する姿勢がみてとれます。

今後は事業をより強固なものにすることが重点施策となり、積極的な広告宣伝費用による利益圧迫は十分に可能性が考えられるでしょう。

もし、これからビジョナルへ投資を考えているなら、利益面で赤字決算となる可能性も視野に入れておくとよいかも知れません。

しかし、中核事業のビズリーチはダイレクトリクルーティングのパイオニアとして、強固なポジショニングを実現しています。

今後の成長が非常に楽しみです。

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総括

本記事はハイクラス人材の転職支援サービス「ビズリーチ」を手掛けるビジョナル株式会社(4194)に関してまとめました。

高成長企業の株を買うときは「売り時」のシナリオを描くようにしましょう。本記事が少しでも参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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バンビーノ
大学生時代に投資を始めた個人投資家。株式投資を中心とした「銘柄」「資産運用」に関する情報を発信します。お仕事のお問合せまたはTwitter DMよりお願い致します。




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